12月1日

 映画の企画を考えにPCを持っていった図書館で、たまたま見つけた(以前書店で気になっていた)ロラン・バルトの『喪の日記』を少し読む。最愛の母を失ったロラン・バルトの、言葉を失ったような断片のメモ。息が熱くなるほど、と言いたくなるほどに、胸が静かに膨らむように熱くなり、それはぼくにとって安心して、信頼して漂って(ただ酔って、かもしれないけれど、そんな冷笑の入り込む隙はなく)いられる時間だった。本人が「平凡」と書いているその言葉のいくつもの行に何度も何度もうたれる。


 映画企画、一本、引き続き時間をかけていくぞというもの、それから一本、ここから新しく始めるもの。新しい企画については、先日決めていた仮の題名を打ち込む。


 【words】ページに、神里雄大さん『バルパライソの長い坂をくだる話』より引用。

大地泰仁/Yasuhito Ohchi

0コメント

  • 1000 / 1000